天然石とは

天然石(てんねんせき)とは、本来は人工的に合成されたもの以外の鉱物や岩石の漠然とした総称。科学的な定義はなされていません。文字通りには道端の石でも石綿でさえも天然石と言える。しばしばバズワードとして用いられ、宝石と呼ぶほどの価値はないが、装飾目的として建材や半貴石に利用できる石に対して、商業的な価値を与えるためにこの呼び名を用いられます。

一方、しばしば定義や不思議な効能に関する疑似科学的な説明がつけられ、原価と釣り合わない高値で市販されるケースがあります。この場合、しばしば「パワーストーン」の同義語として扱われています。

天然石として販売されている石であっても、熱処理や放射線処理によって色調を変化(エンハンスと呼ばれる)させたものや、アクアオーラのように蒸着処理を施したもの、あるいは色素によって直接着色したものなどもあります。

■パワーストーン

パワーストーンとは、宝石(貴石・半貴石)の中でもある種の特殊な力が宿っていると考えられている石のことを指します。その石を身に付けるなどしていると良い結果がもたらされると愛好家などから信じられていますが、科学的合理主義の立場からは、そのような力が存在することは証明されていないため、疑似科学かオカルトのようなもの、またはお守りと同じレベルとして考えられています。「パワーストーン」という言葉は、和製英語であり、英語圏では、鉱物結晶を意味する”Crystal”や、宝石を意味する”Gemstone”という表現が用いられますが、日本ではこれらに属する一部の石などが「パワーストーン」と呼ばれています。

パワーストーンの範囲は基本的に宝石類ですが、その範囲は広がっており鼈甲や象牙のような生物材料、金・銀のような貴金属、銅のような卑金属、化石類、果ては岩塩のような食品材料までがパワーストーンとして販売されています。また、とんぼ玉などのガラス工芸品について、パワーストーンと同じく色によるパワーを持つと標榜されることもあります。なお、鼈甲や象牙についてはワシントン条約で国際取引が禁止されているため、非合法に・または規制前に仕入れられたものを入手する必要があります。

歴史的には、古来から様々な民族のあいだで、貴石、宝石に特殊な力があると考えられてきました。ヒスイはマヤ文明やアステカ文明では呪術の道具として用いられており、紫水晶は西洋では魔術や毒を防ぐ力をもっていると信じられていました。

この宝石の力についての考えが1970年代アメリカ合衆国でのヒッピー文化に取り込まれ、石に癒し(ヒーリング)の力があると解釈されるようになりました。このとき、特に癒しの力が大きいと考えられていたのが水晶です。「クリスタルパワー」という言葉が作られ、水晶による癒しの効果が説かれるようになりました。その効果の根拠としては、しばしば波動 (オカルト)などが持ち出されます。

これが1980年代後期以降ニューエイジムーブメントが日本に舶来したため、日本でも注目を浴びるようになり、従来はほとんど需要のなかった鉱石が大いに売れることとなりました。その後は下火になったが、2000年代前期よりいわゆる「スピリチュアルブーム」の影響と思われるパワーストーンブームが再び起きています。スポーツ界や芸能界等の有名人がパワーストーンを身につけていたり、江原啓之が書籍等で勧めるなどの影響も考えられ、ブームの影響により価格が高騰しているものもあります。アクセサリーの一部として販売されることが一般的だが、研磨前の裸石が販売されることも多く、また、水晶や紫水晶のように群晶(クラスター)をそのまま販売するもの、黄銅鉱のように母岩ごと採集して販売するものなど様々な形態があります。

ニューエイジとの親和性が高いため、ヒーリングや慈愛、自我の解放、宇宙意識の喚起、恋愛の成就、金儲け、ギャンブルの勝利、異性にモテるなどの世俗的な効果を喧伝してパワーストーン販売が行われている。 一方で、パワーストーンが病気に効くなどと謳うことについて、厚生労働省の医薬食品局監視指導・麻薬対策課は、薬事法に抵触するとの見解を示しています。